所在地 | 名古屋市 |
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構造規模 | 木造2階建 |
延床面積 | 96㎡ |
理想は「松江の小泉八雲邸」と驚きの話でした。
暮らしについての思いをレポートにしてほしいということで、私の原点である生家のことを思い出しながらなんとかまとめて、正式に依頼をいただきました。
傾斜地をそのままに極力自然を壊さず、景観の邪魔せずも佇まいを整える、完成を持って完成としない。そんな幾つかのことを考えながら設計は少しずつ進んで行きました。
手数を惜しまず出来る限り手仕事で、幸い職人さん達にも恵まれ、現場で膝突き合わせての打ち合わせは時計を巻き戻したような、初心に戻る思いでした。
施主の思いは強く、懐かしい材料や技術を探し出し、これらの物が意外と身近で充分使える可能性があることも再認識することが出来ました。
当初は時代を経たような住まいをイメージされており古色塗装も考えましたが、それはやはり世代を重ねてこそと新築の木の香漂う住まいに決着しました。
近代的な断熱も無い昔ながらの家ですが凛と暮らされている様子に、産業になり過ぎた今の住宅のあり方を改めて考えらさせられた次第です。