剥ぎ板を組み上げた網代は
ボッテガヴェネタの財布やバッグを連想します
織りが醸し出す豊かな表情、ゆるみの持つゆったり感と実用的な丈夫さはどちらも同じことかもしれませんね
小林さんが0.6mmに剥いだ物は網代に編んで主に天井や壁面や建具等建築の様々な場面に使われ、
また屏風等工芸品として作られています。
網代には矢羽。市松・亀甲等数種類あって、それぞれの良さがあります。
ご主人が剥いだ板を奥さんが編むといった絶妙のコンビで続けてこられましたが、
今ではこの地域の2店だけになってしまったそうです。
材料は最級品の黒部と呼ばれるネズコやサワラやスギが使われています。
銘木店で流通している網代のほとんどは刃物で削ったもので、表面がツルツルしていますが、
手で剥いだ板は木の繊維を壊さないのでデコボコしていて、
その風合いは年を重ねる毎に本物ならではの味わい深いものに変化します。
小林剥ぎ板店の網代は3尺×6尺の大きさでで20.000円ほどしますが、
機械で削ったものでも15.000円前後はするので驚くほどの差はありません。
本物の職人技でも決して使えないほど高価な材料ではないのです。
それでも小林さんの仕事は減少傾向にあるそうで、ぜひ使ってほしいと思います。
採寸のためにご夫婦でわざわざ現場へ足を運んでいただき、おかげで気持ち良い景色が出来ました。
感謝以外の何物でもありません。
坂本 悠
一級建築士設計事務所 株式会社 有理社
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