親世帯が建てた家。
親世帯は将来子世帯が帰って来た時の自分たちの居場所として、
そんな中、
病気の進行とともに既存の生活動線の悪さ、反バリアフリーな家の造りが浮かび上がってきた。トイレに行くのに引戸一枚開き戸2枚開けなくてはいけない。連続した手摺はつけられない、床に24㎜の段差がある、など、不自由な体ではいつ転んでもおかしくない状況。普通の生活=危険な状態になってきた。ひとたび転んで骨折でもしたら取り返しの付かないことになる場合がある。
そのような理由でさらに隠居を増築することとなった。もともと60坪を越える家で十分な広さがある上に増築というのは些かもったいないような気もしたが、気づけば8人住まいとなっており、田舎特有の二間続きなど使えない部分もあったりして、この際「高齢者の為の空間」ということに特化た計画で課題を一気に解決することになった。
当初の家の計画では、まさか増築が必要になるなんてことは想像もしていなかったことだと思います。生活の変化への想像力と対応力、住み継がれる家を設計するにあたっての大きな課題であるように感じます。
伊藤 晋一郎
一級建築士設計事務所 株式会社 有理社
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