下の写真2件の住宅それぞれの建設費には大きな差があります
それなのに上棟時の木組の出来栄えはほとんど変わりません。
鉄筋コンクリートの基礎は構造計算に基づき施工されるので、全体予算に左右されることはまずありえません。
木材の柱、梁も構造計算によって位置やサイズが決まり、
私たちはいつも12cm角の柱、12cm幅の梁を基準としているので 上棟時の木組みの見た目はいつもさほど変わらない風景です。
構造に差が無ければ予算の差は 仕上げ材や設備のグレードで変わり、
その金額は構造材のそれよりはるかに大きい金額なのです。
住宅は仕上げ材や浴室やキッチンの占める割合の方がずっと大きく
建築費の差はそれらで決まってきます。
140㎡2500万円のごく一般的な住宅の 木工事が占める割合いは30%ほど、
その内の柱や梁等構造材料が占める割合はその約25%、200万円ほどで、
なにより家族を安全に守るための構造費用は建設費全体の10%にも満たないのです。
12cm基準の柱・梁を極一般的に使われている10.5cm角にすると確かに30~40万円ほど安くなりますが、
予算全体からすれば1~2%ほどの金額でしかありません。
しかし材料の選別や基準サイズの違いで建物の強さは大きく関わってくる とても大事なことなのです。
感心のあるシステムキッチンやユニットバスのグレードは当たり前のように数十万円違ってきますが、
それらと同じような関心をぜひ構造材にも持ってほしいと思います。
木構造材には集成材、輸入材、国産材、等それぞれ特徴があり、必ずしもどれがベストとは言い切れませんが、
それぞれの価格は以前に比べて現状ではさほどの差ではありません。
産地や等級によっても違ってきますが、よく考えて予算に合った選別をすればこれも驚くほどのことにはなりません。
ハウスメーカーや工務店や設計事務所の説明をよく聞き、疑問をぶつけて形状や産地に大いにこだわり、
安心安全の賢い施主になってほしいと思います。